宮地嶽神社が全国的な知名度を獲得した契機は、2016年2月に放映されたJAL(日本航空)のテレビCMでした。国民的アイドルグループ「嵐」のメンバー5人が石段に腰掛け、海へと真っ直ぐ続く参道に沈む夕陽を眺めながら語り合うシーンは、旅情を刺激する映像美として日本中に強烈なインパクトを与えました。CM内でメンバーが口にした名物「松ヶ枝餅(まつがえもち)」の売れ行きが倍増するなど、福津市を訪れる観光客数は当時の記録的な水準から現在に至るまで高止まりを続けています。
SNSや口コミプラットフォームに寄せられる実際の来訪者の声には、その神々しさに圧倒された感動が数多く刻まれています。
「雲ひとつない快晴の日、海から参道へ一直線に黄金の光が差し込んできた瞬間、周囲の何百人もの参拝者から自然と『おお…』と低いため息と歓声が漏れた。生涯忘れられない光景」(30代男性・旅行愛好家)
「嵐のファンとしていわゆる聖地巡礼で訪れましたが、単なるロケ地の枠を超えて、神社の持つ重厚な空気感と日本一の大注連縄の迫力に心を打たれました」(40代女性)
一方で、過酷な現場実態を告発するリアルな声も見落とせません。
「整理券をもらうために石段下で2時間立ち尽くし、配布後も神社周辺で時間を潰して夕方にまた冷たい石段で1時間待機。足腰への負担がすさまじかった」「水平線付近にだけ厚い雲が立ち込め、日没直前に太陽が隠れてしまい光の道が途切れてしまった。こればかりは運だが悔し涙を呑んだ」
単に現地へ行けば誰もが気楽に見られる甘い観光地ではなく、気象の巡り合わせと長時間の粘り強い待機を乗り越えた者だけが奇跡を享受できる、いわば自然と信仰の真剣勝負の場であることがうかがえます。