生の梅をそのまま漬ける伝統的な方法も風情があるが、科学的な視点で見ると、冷凍梅には無視できない大きなメリットが存在する。最大の理由は、冷凍によって梅の細胞壁が破壊されることだ。凍った梅が常温に戻る過程で細胞が収縮し、中からじわじわと濃厚なエキスが染み出してくる。これにより、完成までの期間が従来の約半分、早ければ1週間ほどに短縮される。
また、カビのリスクを極限まで減らせる点も見逃せない。梅シロップ作りで最も多い失敗が、エキスが出る前に砂糖が発酵したり、カビが生えたりすることだ。冷凍梅を使えば水分が素早く外に出て砂糖が早く溶け、高濃度の糖分で梅全体が覆われるため、雑菌の繁殖を防ぐことができる。さらに、市場に出回る旬の時期に梅をまとめ買いして冷凍庫に入れておけば、自分の好きなタイミングでいつでも仕込めるのも嬉しい。