「自分の腕でありながら、自分のものではない感覚になる」。そう語るのは、プロ野球の世界で幾多の修羅場を潜り抜けてきた岩本勉氏だ。マウンド上で突然、ボールの握り方すら分からなくなる恐怖。投げようとした瞬間に肘がロックされ、ボールが足元へ叩きつけられる。
周囲からは「気持ちが弱い」「練習不足だ」という無理解な批判が浴びせられる。この周囲の無理解こそが、選手をさらに孤立させ、症状を悪化させる最大の要因だと岩本氏は指摘する。名選手たちでさえ、一人部屋で涙を流しながらボールを握りしめ、終わりのない闇と戦っていた。