伊坂作品の中で最も熱烈なファンコミュニティを形成しているのが、裏社会で生きる個性的な殺し屋たちの群像劇を描いた「殺し屋シリーズ」(別名:裏稼業シリーズ)です。ブラッド・ピット主演でハリウッド映画化された『ブレット・トレイン』の原作としても世界的な知名度を誇ります。
本シリーズは一話完結の形式をとっているため、どの作品から読んでも単体で成立するよう巧みに設計されています。しかし、前作の登場人物が意外な形で再登場したり、作中の裏社会組織のパワーバランスが推移していく背景を余すところなく味わうためには、絶対に「刊行順」で読み進めることを強く推奨します。
読むべき正式な順番は以下の通りです。
- 第1作:『グラスホッパー』
妻を殺された元教師の鈴木が、復讐のために飛び込んだ闇社会で、人を自殺させる「鯨」、ナイフ使いの「蝉」、そして「押し屋」と呼ばれる謎の殺し屋たちと交錯していくダーク・サスペンスの金字塔。 - 第2作:『マリアビートル』
東京発盛岡行きの東北新幹線「はやて」という密室を舞台に、腕利きだが異常に不運な殺し屋・七尾(天道虫)や、果物コンビ「蜜柑」「檸檬」など、癖の強い殺し屋たちが乗り合わせる痛快アクション・エンターテインメント。 - 第3作:『AX アックス』
超一流の凄腕殺し屋でありながら、家庭では妻の機嫌を常に恐れる「恐妻家」の兜を主人公に据えた、ハードボイルドとホームドラマが見事に融合した傑作連作短編集。 - 第4作:『777 トリプルセブン』
高級ホテルを舞台に、再びあの「最も不運な殺し屋」七尾が巻き込まれる大騒動を描いたシリーズ最新長編。緻密なパズル性とスピード感が極限まで研ぎ澄まされています。