高田純次の割り箸ネタの直接的なルーツは、1985年から1996年にかけて日本テレビ系列で放送され、社会現象を巻き起こした伝説のバラエティ番組『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』にあります。ビートたけしが司会を務め、演出のテリー伊藤らが常識破りの企画を次々と仕掛けた同番組において、高田純次は「街頭リポーター」として抜擢されました。
当時、街頭インタビューといえばアナウンサーがマイクを向け、一般人の意見を丁寧に聞くのがテレビ界の不文律でした。しかし高田純次は、真面目な顔で相手の悩みや近況を聞き出している最中、ポケットや卓上の箸立てから突如として割り箸を抜き取り、何の前触れもなく自分の鼻の穴へ勢いよく突っ込んだのです。何事もなかったかのように「で、ご主人は?」と平然と会話を続ける高田に対し、一般人はもちろん、スタジオのビートたけしやスタッフも腹を抱えて悶絶しました。
「相手がもっとも構えている瞬間に、あり得ない角度から日常の小道具を身体に突き刺す」というこのアクションは、予定調和を破壊するアナーキーな笑いとして爆発的な反響を呼びました。後年の特番や関係者の回顧録によると、このネタは台本に書かれた指示ではなく、高田純次本人のアドリブと現場の悪ノリから派生したもの。寝起きドッキリでターゲットの部屋に乱入した際や、商店街の名物店主をイジる際など、場がシリアスになりかけた瞬間の「必殺の破壊工作」として定着していったのです。