現代の住宅事情では、神棚や本格的な「三方」を所有していない家庭が大多数を占めます。実際に生活者の声やインテリア動向を調査すると、「三方がなくても失礼にならないか」「スーパーで購入したパック鏡餅をどう見栄え良く飾るか」という疑問が多く寄せられています。
民俗学および儀礼の専門家によると、「三方が手元にない場合でも、清潔なお盆や平皿を用いれば神事としての礼を欠くことはない」とされています。木製の角盆、黒塗りの漆器、あるいは白い陶器の丸皿を台座に見立て、その上に清潔な半紙を敷くだけで、立派なお供えの空間が完成します。
また、現代の家庭で広く親しまれている「サトウの鏡餅」をはじめとするプラスチック容器入りのパック鏡餅についても、ひと工夫加えることで格式高い佇まいへと格上げすることが可能です。付属のプラスチック製台座をそのまま置くのではなく、お気に入りの和風プレートの上に本物の半紙を斜めに敷き、その上にパック餅を据え、本物の生きた裏白や小さな柑橘を添えるだけで、既製品特有の人工感が和らぎ、年神様を迎えるにふさわしい清廉な空間が整います。