第50回衆院選から現在に至る一連の政局で最も有権者を驚かせたのは、「まさかあの重鎮が落ちるとは思わなかった」と地元関係者が口を揃えた大物議員たちの敗北劇でした。長年党の中枢を担い、総裁候補や重要ポストを歴任してきた閣僚経験者が、新人の野党候補や無所属候補に競り負ける波乱が全国で頻発しました。
主な落選議員の顔ぶれを振り返ると、旧安倍派幹部をはじめとする不記載問題の当事者にとどまらず、逆風の直撃を受けた現職閣僚や閣僚経験者がずらりと並びます。牧原秀樹元法相や下村博文元文部科学相、高木毅元国対委員長、武田良太元総務相といった重鎮たちが小選挙区で敗れ去りました。特に比例重複立候補が認められなかった「非公認候補」や「処分対象議員」は、僅差で敗れても敗者復活のセーフティネットが存在せず、そのまま議席喪失へと直結する過酷な結果となりました。
報道各社の出口調査や選挙区データが如実に物語っていたのは、無党派層の約7割が野党系候補へ雪崩を打ったという事実です。加えて、自民党の強固な岩盤支持層とされてきた農協や医師会、商工会といった友好団体の集票力が著しく低下。かつて数万票の差をつけて圧勝していた「指定席」が、瞬く間に激戦区へと変貌した背景には、有権者が抱く「政治とカネ」への根深い不信感がありました。