埼玉愛犬家連続殺人事件の真相と犯人の現在|冷たい熱帯魚の元ネタ検証

埼玉愛犬家連続殺人事件の真相と犯人の現在|冷たい熱帯魚の元ネタ検証

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事件の中心舞台となったのは、埼玉県熊谷市で関根元(犯行当時51歳)と元妻の風間博子(同36歳)が実質的に共同経営していたペットショップ「アフリカケンネル」でした。バブル景気の余熱が残る当時、シベリアンハスキーやロットワイラーといった大型外来犬の飼育ブームが到来しており、関根は猛獣や大型犬の凄腕ブリーダーとして業界内で知られる存在でした。

しかし、その華やかな表の顔の裏で、アフリカケンネルの経営は過剰な設備投資と放漫経営により破綻寸前に追い込まれていました。莫大な負債を抱えた関根が選んだ手段が、法外な価格での犬の売買トラブルに端を発する連続毒殺と口封じでした。

関根の犯行手口において最も残虐かつ特異だったのが、獣医師から「犬の安楽死用」と偽って騙し取った劇薬「硝酸ストリキニーネ」を用いた薬殺です。被害者にカプセル入りの栄養剤やドリンク剤と偽って服用させ、数分で激しい強直性痙攣を引き起こさせて絶命させました。その後、遺体はアフリカケンネルの役員であった山崎永幸(仮名・懲役3年の判決を経て出所)の所有する山小屋へと運ばれました。

捜査関係者の証言録や公判記録によると、関根は遺体を前にして山崎に対し、次のように豪語したとされています。

「人間の体はな、肉を切り刻んで骨を焼き、川に流してしまえば跡形もなく消える。『ボディを透明にする』んだよ。遺体がなければ警察も手を出せない、これが完全犯罪だ」

山小屋の風呂場で遺体は肉と骨に解体され、肉片は細かく刻まれて山中に埋められたり河川へ投棄されたりしました。骨はドラム缶で灰になるまで徹底的に焼却され、群馬県片品村の片品川などにばら撒かれました。警察による徹底的な現場捜索が行われたものの、発見されたのは極めて微小な骨片と腕時計などの遺留品数点にとどまりました。遺体を完全に消滅させるこの冷酷な手口こそが、日本犯罪史上類を見ない「ボディを透明にする」という猟奇的犯行の実態でした。

清水 千尋
著者

清水 千尋

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。