耳が詰まった感じが耳抜きで治らない?危険な病気の兆候と最新受診目安

耳が詰まった感じが耳抜きで治らない?危険な病気の兆候と最新受診目安

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外来受診者の訴えで圧倒的に多いのが、「両耳ではなく、左耳だけ(あるいは右耳だけ)が詰まって治らない」という症状です。この片耳だけ耳が詰まった感じの理由を探る上で、避けて通れないのが内耳の微小循環障害と自律神経の不均衡です。

人間の内耳にある蝸牛(かぎゅう)は、極めて細い毛細血管(前庭蝸牛動脈)によってのみ栄養と酸素が供給されている極小の器官です。この血管には側副血行路(迂回路)がほぼ存在しないため、わずかな血流の滞留が即座に感覚細胞の酸素欠乏と機能停止を招きます。

ここで焦点となるのが、ストレスと耳の詰まりの経緯です。過度の精神的緊張や睡眠不足、過労が続くと、交感神経が異常興奮し、末梢血管が激しく収縮します。その結果、左右どちらか一方の蝸牛への血流が途絶し、突発性難聴の初期症状として片耳の詰まり感が出現するのです。患者本人は「難聴」とは思わず、「水が入って膜が張ったようだ」「受話器の音が少し遠く感じる」程度にしか認識できないケースが大半を占めます。

また、同じくストレスと密接に関わるのが低音障害型感音難聴です。ストレスによって抗利尿ホルモンの分泌バランスが崩れると、内耳のリンパ液が過剰に溜まる「内リンパ水腫」が引き起こされます。低い周波数を感知する蝸牛の頂点部分が水膨れを起こすため、低音だけが選択的に聞こえづらくなり、重度の耳閉感として自覚されます。片側の耳だけに発症することが多く、放置すれば聴力低下が固定化するため、早期のステロイド点滴や浸透圧利尿薬による減圧治療が欠かせません。

佐藤 大輔
著者

佐藤 大輔

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