騒動の波紋が広がる中、ボクシング関係者の間では井岡の「海外ライセンス取得・移籍」の噂が現実味を帯びて囁かれるようになった。実際、過去に井岡は一度引退し、アメリカを拠点に復帰した経緯がある。海外であれば、タトゥーの有無が試合出場の障害になることは一切ないからだ。
所属する志成ボクシングジムとしても、世界レベルのビッグマッチを実現させるためには常に柔軟な選択肢を持たざるを得なかった。日本国内での試合開催にこだわりつつも、組織の古い体制や曖昧な運用ルールに縛られ続ければ、選手の貴重な全盛期を無駄にしてしまう。ジム側とコミッションによる水面下の交渉は難航を極め、結果として日本の格闘技界全体にルールの近代化を強く迫る契機となった。