音楽特番や野外フェスで二人が同じステージに立つたび、SNSやライブ評では「耳福すぎる」「この二人の声の混ざり方は別格」といった絶賛の声が飛び交います。過去の共演で特に語り草となっているのが、フジテレビ系音楽番組や大型ロックフェスでのコラボレーション、そして寺岡呼人プロデュースの各種イベントで行われた楽曲カバーの応酬です。
奥田民生の代表曲『さすらい』や『イージュー★ライダー』をトータス松本がその魂の叫びのようなハスキーボイスで歌い上げるとき、楽曲は民生本人の脱力感とは異なる熱狂的な叙情詩へと変貌します。逆に、ウルフルズの『ええねん』や『バンザイ 〜好きでよかった〜』を奥田民生が歌うと、泥臭い関西のソウルバラードにビートルズライクなポップセンスと独特の哀愁が宿ります。互いの持ち味を消すことなく、相手の楽曲の潜在的な美しさを引き出し合うセッションは、音楽的な確かな技量とリスペクトがあって初めて成立するものです。
ライブツアーの現場に立ち会った音楽関係者は次のように証言しています。「リハーサルの現場では、多くを言葉で指示し合わない。民生さんがギターで軽くコードを鳴らし、トータスさんが一発声を出すだけで、曲のグルーヴやテンポ感が決まってしまう。あの瞬時の阿吽の呼吸は、30年以上日本のトップで歌い続けてきた職人同士にしか出せない領域です」。