脊髄小脳変性症は、脳の「小脳」と呼ばれる部分や、脊髄の神経細胞が徐々に破壊されていく疾患の総称です。小脳は体のバランスや運動の精密なコントロールを司る司令塔。ここがうまく機能しなくなると、歩行時のふらつき、手の震え、言葉が滑らかに出ないといった症状が現れます。
原因は様々です。遺伝性のものもあれば、突然変異や原因不明の非遺伝性のものもあります。最大の特徴は、意識や知能ははっきりしているにもかかわらず、自分の意思通りに体を動かせなくなっていく点にあります。この「心は元気なのに体が動かない」というギャップこそが、患者とその家族に計り知れない精神的苦痛をもたらすのです。