牛や豚の生食が厳しく制限される中で、現在も合法的に提供が認められている唯一の選択肢が存在する。それが馬生レバーだ。なぜ馬の肝臓だけが許されるのか。その秘密は、馬という動物の生体構造と高い体温にある。
反芻(はんすう)動物である牛と異なり、単胃動物である馬は体にO157などの危険な大腸菌を保持しにくい。さらに、伝統的な熊本の馬刺し文化に培われた衛生基準と、マイナス20度以下で48時間以上冷凍殺菌するという厚生労働省の定めた規格をクリアすることで、安全な生食が可能となっている。独特のこりこりとした歯ごたえと濃厚な味わいは、かつての味覚を追い求める人々にとって唯一無二の救世主となっている。