1990年代初頭、アイドルの枠組みを自ら押し広げ、作詞やドラム演奏までこなすマルチな才能で一世を風靡した森高千里。彼女がこの曲を手がけた背景には、偶然と緻密な情景描写へのこだわりが存在していた。制作当時、日本全国の地図を眺めながら語感の美しい地名を探していた彼女の目に留まったのが、足利市内を流れる渡良瀬川だったという。
ミュージックビデオやジャケット写真の撮影においては、華やかなスタジオセッティングを排し、あえて冬の北風が吹き抜ける現地の河川敷で行われた。極寒のなかで薄手のコートを羽織り、沈みゆく夕日を待つ数分間の一瞬を切り取った写真は、作為のないリアルな表情を見せている。現場スタッフの間では、太陽が落ちる直前の僅かな「黄金色の光」を捉えるため、息を詰めてシャッターを切った瞬間が今も語り継がれている。