今回の世界的ブームの引き金となったのは、Netflix独占配信でスタートした本格クライムドラマだ。グローバル市場を意識したスケール感と迫真のリアリティは、従来の日本の任侠映画の枠組みを根底から覆した。かつて北野武監督が『アウトレイジ』シリーズで見せた容赦なき暴力衝動の美学や、映画『ヤクザと家族 The Family』で綾野剛が魅せた時代の波に呑まれる男たちの悲哀。そうした傑作群の系譜を受け継ぎつつ、さらに研ぎ澄まされた現代的なスリラーとして昇華されている。
こうした極道カルチャーの進化は映像作品にとどまらない。ゲーム作品『龍が如く』シリーズが海外で爆発的な人気を得て以来、日本の裏社会文化に対する世界の関心は高まり続けてきた。現在ではHBO Maxなどの海外大手プラットフォームも日本の映画産業と連携を強めており、ダークでリアルなジャパン・ノワールは世界的コンテンツとしての確固たる地位を築いている。