脈圧の拡大は、実年齢以上に血管が老化している「血管年齢の悪化」をダイレクトに物語っています。硬化した血管は日常的な血流の圧力変化に耐え切れず、脳や心臓の微小な血管へ直接強い衝撃波を伝えてしまいます。
近年の疫学調査でも、脈圧が65mmHgを超える層は、正常範囲内の層に比べて心不全や脳卒中(脳梗塞・脳出血)の発症率が有意に高いことが確認されています。特に高齢者層に多く見られる「収縮期単独高血圧(上だけが高く下が低いタイプ)」は、脳血管障害を引き起こす強力な危険因子です。
家庭用の血圧計で毎朝・毎晩の数値を記録し、脈圧が継続して拡大傾向にある場合は、自覚症状がなくても血管の柔軟性が失われている警告と捉えるべきです。