夕方に飲んだ1杯が深夜まで影響を及ぼす最大の理由は、薬理学的な「半減期」の長さにあります。摂取されたカフェインは胃や小腸からわずか30〜45分でほぼ完全に吸収され、血中濃度がピークに達します。そこから肝臓の代謝酵素(CYP1A2)によって分解されて血中濃度が半分に減るまでの時間、すなわちカフェイン 半減期は、健常な成人でおよそ4〜6時間とされています。
これは、午後6時にカフェイン200mg(マグカップ2杯分のコーヒー相当)を摂取した場合、深夜0時になっても体内にはまだ100mg(およそコーヒー1杯分)の活性成分が残り続けていることを意味します。完全に血中から消失するには摂取から12〜16時間以上を要するケースも珍しくありません。
以下の表は、主要なカフェイン含有飲料の成分量と、体内に残存する影響時間の目安をまとめた客観データです。
さらに重要なのは、このカフェイン 効果持続時間には大きな個人差が存在するという点です。肝臓内のCYP1A2酵素の活性は遺伝的要因に左右されるほか、経口避妊薬(低用量ピル)を服用している女性は代謝速度が約2倍遅くなり、半減期が8〜10時間以上に達することが薬理データで実証されています。一方、喫煙者は代謝が促進される傾向にありますが、睡眠の質自体を著しく損なうため決して好ましい状態ではありません。