効率化やコスト削減が叫ばれて久しい外食業界において、チェーン展開を行いながらも各店舗での「仕込み」と「手作業」を重視し続ける姿勢は異彩を放つ。麺は自社工場で作る自家製麺を使用し、スープの出汁もしっかりと時間をかけて引く。素材の切り出しや仕込みの細部に至るまで、人の手が介在する余白を残しているのだ。
機械任せにすればブレは減り、人件費も抑えられるかもしれない。しかし、それでは「あの味」が出せないのだと店舗の料理人は語る。気温や湿度に合わせて微調整される茹で時間や、具材の炒め具合。デジタル管理では到達できない微妙な匙加減こそが、長年守り抜かれてきた暖簾の重みそのものである。