ここで改めて、彼がトップに立つまでの経緯解説を行おう。元社長である山本又一朗氏との長年にわたる強い信頼関係が、この異例の人事の背景にある。小栗は十代の頃から同社に所属し、役者としてのキャリアを積み重ねる傍らで、常に「役者の環境改善」を訴え続けてきた経緯がある。
裏方の事務処理や労働条件、契約のあり方に至るまで、彼は現場の声を代表して経営陣に働きかけていた。そうした情熱と実績が認められ、創業者の後継者として指名されたのはごく自然な流れだったと言える。伝統を引き継ぎつつ、新しい風を吹き込む準備は長年かけて整えられていたのだ。