いまやNetflixなどのグローバル配信サービスやYouTubeの解説動画において、「トゥルークライム(実際の事件を扱ったコンテンツ)」は最も高い視聴率を叩き出す人気ジャンルとなった。世界中の映像エンターテインメント産業が実在の陰惨な事件や未解決ミステリーをスタイリッシュに映像化し、アルゴリズムがそれを全世界のユーザーへ推奨する構造が確立されている。
しかし、こうした潮流に対して報道・ジャーナリズム業界からは強い懸念の聲も上がっている。アルゴリズムが偶発的に生み出した「吉原」「ピカソ」「コンクリ事件」というセンセーショナルなキーワードの組み合わせが、裏付けのない陰謀論や虚構の都市伝説を再生産し、検索エンジンの上位を占拠してしまう現象だ。娯楽として消費されるリアリティと、歴史的事実の重み。その狭間でジャーナリズムが果たすべき役割が今、厳しく問われている。