この植物を深く理解するには、まずそのルーツを知る必要がある。学名セダム・ルブロティンクタム 'オーロラ'は、古くから親しまれてきた普及種「虹の玉」の突然変異株、いわゆる「斑入り」の変種だ。分類上はベンケイソウ科セダム属に位置し、肉厚でぷっくりとした葉に水分を蓄える能力に長けている。
かつてカール・フォン・リンネが体系化した植物分類学の歴史においても、こうした「斑入り植物」は異彩を放つ存在として研究者やコレクターの好奇心を刺激してきた。オーロラの場合、葉の表皮細胞にある葉緑素(クロロフィル)が一部抜け落ちることで、白やクリーム色の筋が入る。秋以降、寒さに晒されるとアントシアニンという赤色色素が合成され、緑・白・ピンクが混ざり合う独特の幻想的なグラデーションが完成するのだ。