このムーブメントの礎を築いた存在として真っ先に名前が挙がるのが向井理だ。スマートな立ち姿と知性溢れる眼差し、どこか浮世離れした清潔感は、それまでの濃密なイケメン像とは一線を画し、多くの視聴者を惹きつけた。彼が主演や主要キャストを務めた恋愛ドラマは、単なる胸キュン作品の枠を超え、大人の情緒を描く上質なドラマとして高く評価されたのである。
さらに、表現の幅を爆発的に広げたのが綾野剛の登場であった。蛇のように鋭くミステリアスな目元と、役柄によって全く異なる空気感を纏う変幻自在の演技力。彼は静謐な佇まいと狂気的な熱量を同居させ、演技派としての「実力派塩顔」という新たなカテゴリを確立した。彼らの開拓によって、塩顔男子は単なるヴィジュアルの分類から、圧倒的な演技力を担保するアイコンへと進化したのだ。