ネット上の口コミや知恵袋などで頻繁に目にする「近くのブランドオフに持ち込んだら、旗艦店と査定額が異なった」という証言。この噂の真偽を確かめるべく業界の流通ルートを取材すると、リユース業界特有の構造的な要因が浮かび上がってきます。結論から言えば、提示額に差が生じる最大の要因は「店舗ごとの顧客属性と販売回転スピードの差異」にあります。
ブランドオフは全国に展開していますが、銀座本店や大阪・心斎橋店のようなインバウンド(訪日外国人観光客)需要が集中する都市型店舗と、地域密着型の郊外ロードサイド店舗や商業施設内店舗では、店頭で売れる商品のカテゴリーが根本から異なります。海外バイヤーや富裕層観光客がひっきりなしに訪れる都市部店舗では、エルメスのバーキンやケリー、ロレックスのデイトナといった超高額帯が数日〜数週間で完売するため、在庫リスクを極限まで排除した「強気の上限買取価格」を提示しやすくなります。
一方で、国内一般顧客が中心の店舗では、普段使いしやすいルイ・ヴィトンやシャネルの定番バッグ、日常使いのジュエリーが主力となります。しかし、ブランドオフでは全店舗がオンラインの集中査定システムで結ばれており、地域の近くのブランドオフ店舗であっても本部のスーパーバイザーや専門バイヤーがリモートで画像・データを即座に検分する体制を整備しています。それにもかかわらず価格差を感じるケースがあるのは、持ち込んだ現場の鑑定士が「その店舗での即時店頭再販」を狙って独自の上乗せを行っているか、あるいは「本部に送ってオークションへ回す前提の標準レート」を適用しているかの違いです。
店頭持ち込み査定を行う前に知っておくべき決定的な秘訣は、「他店での見積もり状況」や「急いで現金化したいのか、数日待ってでも最高値を狙いたいのか」という意向をはっきりと伝えることです。店舗側も優良在庫を他社に奪われることを最も恐れており、本部交渉の余地を引き出すことで、地方店舗であっても旗艦店水準の買取価格を引き出すことが可能になります。