博物館の背後に広がる大浜海岸は、国の天然記念物「大浜海岸のウミガメおよびその産卵地」に指定されている。長年続けられている「大浜海岸ウミガメ保護増殖プロジェクト」の最新集計データは、アカウミガメを取り巻く環境の急激な変化を生々しく浮き彫りにしている。
近年、黒潮の流路変動や海水温の上昇に伴い、産卵上陸のタイミングや産卵数に顕著な偏位が生じている。砂浜の地中温度の上昇は、卵の性決定(温度依存性決定)にも直接的な影響を与えかねない。プロジェクトが収集した最新ログによれば、産卵巣の温度プロファイルを監視し、必要に応じて日陰を設ける微小気候管理の重要性が一段と増している。
夜間の海岸パトロールに従事する調査員たちは、砂浜の硬度や砂粒の粒度分布まで詳細に記録する。観光地としての砂浜利用と、野生生物の産卵環境としての保全。両者のせめぎ合いの中で、大浜海岸はまさに生きている実験場としての重圧に耐えている。