豊橋駅を初めて利用する旅行者を戸惑わせる最大の構造的要因が、駅構内の特異な線路配置と豊橋駅飯田線乗り場ホーム番線の位置関係です。
東海道新幹線を降りた乗客は、新幹線改札を出てJR在来線の跨線橋コンコースを進むことになりますが、飯田線が発着するのは駅の西端に位置する1番線および2番線の頭端式(切り欠き)ホームです。このホームは東海道本線の本線ホーム(4〜8番線)とは離れており、さらに隣接する3番線ホームには大手私鉄である「名鉄名古屋本線」の特急や急行が堂々と滑り込んできます。
JRの改札内でありながら、同一の平面上でJR飯田線と名鉄電車が並ぶこの特異な光景は、戦前の私鉄買収路線(旧豊川鉄道・鳳来寺鉄道など)という歴史的経緯によるものです。豊橋駅から平井信号場までの約3.8kmは、JR飯田線と名鉄が線路を共有(単線並列共用)して運用されているため、名鉄の改札機や案内板が視界に入り、乗り場を誤認する初心者が頻発しています。
このため、豊橋駅新幹線飯田線乗り換え時間には最低でも7分から10分のインターバルを見込む必要があります。キャリーケースなどの大型荷物を所持している場合や、休日の混雑時にはコンコースの移動だけで時間を奪われるため、15分程度のバッファを設定するのが安全圏です。
さらに深刻なトラブルの原因となっているのが、「交通系ICカード(TOICA/Suicaなど)の利用可能エリア」の境界問題です。豊橋駅から乗車する場合、ICカードが利用できるのは飯田線内では新城駅や本長篠駅など一部の主要駅までに限られています。中部天竜、天竜峡、飯田方面へ直通する場合、下車駅にIC簡易改札機が存在しないため、車内精算や降車駅での証明書発行手続きで極めて煩雑な手間が発生します。長野県方面へ向かう乗客は、豊橋駅の自動券売機やみどりの窓口であらかじめ目的駅までの「紙の乗車券」を購入して入場することが鉄則です。