プレイオフの醍醐味としてメディアがこぞって取り上げるのが、リーグ下位のチームが上位を倒して勝ち進む「下剋上」です。しかし、この下剋上現象を巡っては、現場の選手や長年のファンの間で長年熱い議論が交わされてきました。
SNSやファンのコミュニティ、スポーツ番組の論調を丹念に追うと、複雑な胸中が浮かび上がります。例えば、レギュラーシーズンで2位に10ゲーム差以上の大差をつけて圧倒的優勝を飾ったチームが、CSの短期決戦で投打の歯車が狂い、わずか数日で敗退してしまうケースです。ネット上では「何のための140試合だったのか」「年間優勝チームこそが真の王者ではないのか」という虚脱感に満ちた声が溢れます。
報道陣の取材に応じた当時の主力選手や監督の手記にも、「リーグ優勝を果たした翌日から生じる、調整の難しさと独特の重圧」「アドバンテージの1勝があっても、初戦を落とした瞬間にプレッシャーが倍増する」という吐露が残されています。短期決戦は、長期戦で問われる「選手層の厚み」よりも、「エース投手の状態」「ベンチの勝負勘」「勢いと運」に大きく左右されます。不条理とも言えるこのドラマ性を受け入れられるかどうかが、プレイオフという仕組みを肯定的に楽しめるか否かの分水嶺となっています。