1973年、外交官の父のもとアメリカ・ボストンで生まれた野口健は、幼少期をニューヨークやサウジアラビアなどで過ごしました。一見すると華々しい生い立ちに見えますが、帰国後の思春期には日本の学校環境に馴染めず、高校時代に激しい暴力事件を起こして1ヶ月の停学処分を受けるという大きな挫折を経験しています。
その停学期間中、ふと立ち寄った書店で手にした植村直己の自伝『青春を山に賭けて』が、彼の運命を決定づけました。「自分も何者かになりたい」という強烈な衝動に突き動かされた野口は、一人で八ヶ岳へと向かい、登山の世界へ没入していきます。
立教英国学院高等部を卒業後、亜細亜大学国際関係学部へ進学。大学在学中にスポンサー集めのために何百社もの企業へ企画書を送り続け、門前払いを食らいながらも資金を調達しました。そして1999年5月、25歳でエベレスト登頂を果たし、当時の世界最年少で七大陸最高峰登頂の栄冠を掴み取ったのです。