なぜ世界トップクラスの知性が集まるファームが、誰が見ても破綻するとわかる稚拙なリストを作成してしまったのか。この問題を単なる担当者のミスで片付けることはできません。ここには、組織心理学における「集団思考(グループシンク)」と、クライアントへの過剰適応のメカニズムが存在します。
危機に瀕したクライアントは、「これ以上傷つきたくない」「厳しい批判から身を守りたい」という強烈な心理的防衛反応を示します。コンサルタント側がクライアントの不安に同調し、「荒れさせないこと」「無事に2時間を終わらせること」自体をプロジェクトの成功条件と錯覚してしまった結果、最も守るべき「世論と被害者に対する誠実さ」という大局観が失われてしまったのです。
【プロの結論】危機管理コンサルタントの起用基準と避けるべき兆候
企業や著名人が不祥事・危機管理に直面した際、どのようなパートナーを選ぶべきか。NGリスト問題から得られる判断基準は明白です。
【信頼に値するコンサルタントの特徴】
・都合の悪い事実であっても、記者の質問から逃げずに「すべてを開示し、謝罪する勇気」をクライアントに要求できる。
・会見を「乗り切るイベント」ではなく、「信頼回復の最初の第一歩」と位置づけている。
・メディアを敵対視せず、公器としての役割を尊重した進行ルールを設計する。
【即座に契約を解除すべき危険な兆候】
・記者の選別、質問の事前検閲、NGリストの作成を提案してくる。
・「時間を区切って逃げ切れば嵐は去る」と安易な逃走戦略を提示する。
・クライアントの顔色を伺い、耳の痛い現実(世論の厳しさ)を伝えないイエスマン化。