今年、前橋の街角で密かに話題を呼んでいるのが、看板すら出していない路地裏の古民家レストランや、常連の口コミだけで満席になる隠れ家的な穴場店だ。ガイドブックに大々的に載るような有名店とは一線を画し、店主が毎朝仕入れるフレッシュな食材と、長年磨き上げた秘伝のタレやスープで勝負している。
「実はあまり教えたくないんです」。そう苦笑いしながら取材に応じてくれた地元在住の50代男性が案内してくれたのは、一見すると普通の住宅にしか見えない店。そこでは、注文を受けてから特注の銅鍋で揚げ始める極厚の豚カツや、旬の地元野菜をふんだんに使った日替わりプレートが振る舞われていた。一口食べれば、衣の香ばしさとジューシーな肉汁が口いっぱいに広がり、思わず溜息が漏れる。まさに知る人ぞ知る、今一番食べるべき極上メニューだ。