観光バスが去り、日帰りの旅行者が駅へと向かい始める夕刻。この時間帯こそが、今の茶屋街を最も贅沢に楽しむゴールデンタイムだ。2026年に入り、金沢市が推進する「黄昏(たそがれ)観光プロジェクト」の効果もあり、あえて夕方から足を運ぶスマートな旅行者が増えている。
ガス灯風の街灯にほのかな光がともると、出格子が美しい影を石畳に落とす。日中の喧騒が嘘のように静まり返った路地には、三味線の音がかすかに響くことも。静寂に包まれた街並みを歩くひとときは、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような錯覚を覚える。