愛知の花火を語る上で外せないのが、江戸時代から連綿と受け継がれてきた「三河花火」の歴史だ。火薬の使用を厳しく統制していた江戸幕府において、初代将軍・徳川家康が自身の出身地である三河の武士団にのみ火薬の製造と管理を許したことが、この地の煙火産業の礎となった。
その伝統を現代に受け継ぎ、進化させ続けているのが地元屈指の名門、株式会社磯谷煙火店だ。日本煙火協会でも高い評価を受ける同社は、光のグラデーションや立体的な菊花を描き出す技術において右に出るものがいない。今夜の夜空を飾る一発一発には、数百年にわたり磨き抜かれた職人たちの情熱と美意識が注ぎ込まれている。