真木よう子映画の傑作おすすめ7選!圧倒的演技力の真相と現在

真木よう子映画の傑作おすすめ7選!圧倒的演技力の真相と現在

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真木よう子という表現者のキャリアを語る上で、2014年3月に開催された第37回日本アカデミー賞は外せないメルクマールです。この年、彼女は映画『さよなら渓谷』で最優秀主演女優賞を、そして是枝裕和監督の『そして父になる』で最優秀助演女優賞を同一年で受賞しました。主演・助演のダブル受賞は、1979年の第2回における大竹しのぶ以来、実に35年ぶり史上2人目という映画史に残る快挙でした。

このダブル受賞が驚嘆された理由は、単なる人気の集中ではなく、演じた2つの役柄の振れ幅と深度にあります。『さよなら渓谷』(大森立嗣監督)において演じた水谷夏菜は、過去に凄惨な暴行事件の被害に遭いながらも、その加害者である男と隣り合わせで暮らすという、人間の心理の最奥を描いた極限の役どころでした。真木よう子はここで、過剰な慟哭や身振りを排し、ただ黙して佇む背中や視線の微細な揺らぎだけで、被害と共依存、愛憎が混濁した魂を表現し切りました。

一方で『そして父になる』では、下町の電気店を営む大衆的で温かみのある母親・斎木ゆかり役を好演。リリー・フランキー演じる夫とともに、子どもを取り違えられた混乱の中で泥臭くもたくましく現実を受け止めていく市井の女性を、匂い立つような生活感とともに演じました。極限の緊張感に満ちた陰の芝居と、血の通った生活者の陽の芝居。この対極にある2作品が同時期に世に出たことで、彼女の持つ底知れないレンジの広さが業界内外に決定づけられました。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

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