彼女の発信に救われたと語る人々は少なくない。虐待を受けて育った「アダルトチルドレン」たちは、大人になっても強い罪悪感や生きづらさを抱えがちだ。「親を愛せない自分は異常なのではないか」という自己否定に苛まれる人々にとって、遠野氏の言葉は圧倒的な解毒剤となった。
親を許さなくてもいい、憎んでもいい、そして離れていい――そうしたメッセージは、呪縛に苦しむサバイバーたちに「自らの人生を取り戻す許可」を与えた。自分の過去を語り、痛みを共有する場が存在すること自体が、個人の孤立を防ぐ最大のセーフティネットとなり得るのだ。