そもそも、なぜ数学においてこのような一見ややこしい定義が必要なのだろうか。歴史を紐解くと、古代ギリシャのユークリッド幾何学にまで遡る。古代の数学者ユークリッドが構築した平面の幾何学体系では、2本の直線は「平行である」か「どこかで交わる」かの2択しかなかった。紙の上という2次元の世界に閉じ込められている限り、例外は存在しなかったのだ。
だが、近代フランスの哲学者であり数学者のルネ・デカルトが座標概念を打ち立て、3次元空間の解析が進むと事態は一変する。立体空間においては、交わりもせず、平行でもない直線同士が無限に存在することに人類は直面した。これが空間図形特有の「ねじれの位置」の発見だ。平面の常識が通用しなくなる境界線こそが、まさにこの概念の面白さであり、同時に中学生が最初につまずく壁の正体でもある。