気候変動の影響でハチの活動サイクルは年々前倒しされ、巣の巨大化が進んでいる。中でも最悪の脅威として恐れられるのがオオスズメバチだ。体長4センチを超える巨大な体躯、強力な大顎、そして何度も往復して刺し込める毒針。巣の防衛本能が高まる時期、周辺に足を踏み入れた人間は容赦なく標的にされる。
こうした蜂の獰猛な生態は、テレビメディアでもたびたび話題に上る。NHKの人気自然ドキュメンタリー番組『ダーウィンが来た』で放送された緊迫の密着映像を覚えているだろうか。放送直後からNHKプラスの見逃し配信を通じてSNSでも大きな拡散を見せた。また、芥川賞作家の小野正嗣氏をはじめとする文化人たちも、人間社会と野生生物の摩擦や都市における自然の脅威について深い関心を寄せている。いまや猛毒の刺客は、私たちが暮らす都市のすぐ目と鼻の先に潜んでいるのだ。