「ケバブ(Kebab)」はトルコ語で「ローストした(焼いた)肉料理全般」を指す言葉です。私たちが街角で見かける、垂直の串に肉を何層も重ねて回転させながら焼くスタイルは、正確にはドネルケバブ(Döner Kebab)(「回転するケバブ」の意)と呼ばれます。
このドネルケバブに使われる肉は、地域や店舗によって明確な違いがあります。
世界三大料理の一つであるトルコ料理において、伝統的な主役は羊肉(ラム・マトン)です。特有の風味とスパイスの相性が抜群で、古くから遊牧民の食文化として親しまれてきました。また、羊肉の独特な香りを抑えるために牛肉とブレンドして塊肉(ブロック)を作る製法も王道とされています。
一方、日本国内のケバブスタンドを見渡すと、メニューの先頭に並ぶのは圧倒的にチキンケバブです。次いでビーフケバブ、あるいはチキンとビーフの「ミックス」を置く店が多く、本場で主流の羊肉を常時扱っている店舗はごく一部にとどまります。