インターネット上の掲示板やSNSでは、PTPおよび楽曲『Voice』について、時にいくつかの先入観や誤認が見受けられます。音楽の真価を正確に受け取るために、押さえておくべき2つの盲点を解説します。
第一の誤解は、「『Voice』は死を予感していたKによる遺言のような破滅的ソングである」という言説です。Kの急逝という結末から逆算して「死を望んでいた歌」と解釈されがちですが、歌詞の真実や制作時のメモが物語っているのはその真逆です。この曲で彼が願っていたのは、自身の存在を世界に認知してもらい、精神の霧を晴らして「壊れた自分を修復して他者と繋がりたい」という必死の生存本能でした。絶望の淵から這い上がろうとする足掻きそのものを歌っているからこそ、楽曲に生命力の火が灯っているのです。
第二の誤解は、「スクリームやシャウトが多用されているため、単なる攻撃的で暴力的なラウドロックである」という外見上のラベリングです。PTPの楽曲構造を精査すると、バックボーンにあるのは極めてトラディショナルなアメリカン・ルーツ・ロック、エモ、そして叙情的なファンクやブルースの語彙です。破壊のための轟音ではなく、言葉にならない感情の微粒子を増幅させるためのラウドネスであるという本質を見落としてはなりません。