閉園の報が広まるにつれ、インターネットの電子掲示板や知恵袋などで爆発的に拡散したのが、「施設に残された大量の犬たちが保健所で殺処分されたのではないか」という陰惨な噂でした。看板の文字が剥がれ落ち、静まり返った施設の写真がWeb上にアップロードされたことで、不安と憶測に拍車がかかったのです。
しかし、当時の地元動物愛護関係者や近隣住民への取材を総合すると、「全頭がそのまま処分された」という言説は明白な誤認です。閉園プロセスにおいて、以下のルートで犬たちの生活環境の確保が進められました。
まず、パークに在籍していた犬の一部は、もともと契約関係にあった全国各地の優良ブリーダーや他地域の提携動物展示施設へ返還・再移籍となりました。特に血統の明確な個体や若齢犬は引き取り手が比較的速やかに決まったとされています。さらに、高齢犬や一般家庭に向く性格の個体については、スタッフの個人的な引き取りや、東北近郊のボランティア団体と連携した里親探しが行われました。
一方で、当時の連絡網や個体管理台帳が公的機関によって一元公開される時代ではなかったため、すべての犬が天寿を全うできたかを公的データとして100%証明することは困難です。急な譲渡先探しに伴う現場スタッフの苦悩や、一部の疾患を抱えた個体の処遇を巡る混乱が、歪んだ形で「集団処分」という極端な噂へと変質して語り継がれたのが実態といえます。