かつて全国の交差点で深夜帯(22時〜翌朝6時など)に当たり前のように行われていた「夜間点滅信号」。しかし現在、各地の警察本部がこの点滅運用を急速に廃止し、24時間通常のカラー制御(青・黄・赤の定周期)や、ラウンドアバウト、一時停止標識への付け替えを進めています。
廃止が相次ぐ最大の理由は、「点滅信号の運用そのものが事故を誘発している」という動かしがたい統計データが明らかになったためです。
警察庁および各都道府県警の検証データによると、夜間に点滅運用を実施していた交差点を通常の24時間信号制御に改変したところ、当該交差点における人身事故の発生件数が約4割〜5割減少したという報告が相次ぎました。
なぜ点滅信号はそれほど危険なのでしょうか。背景には以下の構造的リスクが存在します。
- 認知の非対称性と油断:赤点滅側は「深夜で誰も来ない」と過信して徐行で侵入し、黄色点滅側は「自車が優先だから相手が止まるはず」と速度を落とさず突っ込むため、重大な衝突事故に至る。
- コリジョンコース現象:夜間の直線見通しが良い交差点において、直交する2台の車が同速度で接近すると、相手車両が視界の同じ角度に留まり続け、動いていないように錯覚して直前まで気付けない。
- 点滅灯火による距離感の狂い:点滅する光の残像によって、交差点までの正確な距離感や相手車両の速度を見誤りやすい。
夜間の交通円滑化やアイドリングによる騒音・環境負荷軽減を目的に導入された点滅信号ですが、人命に関わる重大事故の温床になっているとの判断から、全国的な「点滅廃止ドミノ」が進行しています。