かつて日本映画産業の黄金期を牽引した勝プロダクションと、数々の名作を生み出した東宝。この二大メガプロの息吹を感じながら育った血脈は、彼に比類なき映画表現への美学を植え付けた。父の破天荒な創造性と母の温かみある演技力、その双方が彼の身体には確かに流れていた。
だが、勝プロダクションの経営破綻や多額の負債、連日のようにメディアを賑わすゴシップなど、スターファミリーならではの波乱が彼の人生を絶えず揺さぶった。過剰なスポットライトと隣り合わせの孤独。それでも彼が完全にスクリーンから去ることはなかった。根底にあったのは、過酷な宿命を受け入れつつも演技と向き合い続ける純粋な執念だった。