調理器具として定着したフードプロセッサーですが、投入のタイミングを1つ違えるだけで仕上がりは別物になります。失敗を完全に回避する工程は次の4ステップです。
【ステップ1:魚肉の冷却と「塩摺り(からずり)」】
骨と皮を完全に除去し、キッチンペーパーで水気を吸い取った魚肉を2〜3cm角に切ります。ボウルごとラップをかけ、冷凍庫に10分ほど入れて「表面がシャリッとする直前の氷温状態(3〜5℃)」まで冷やします。プロセッサーの容器に魚肉と「粗塩」だけを投入し、まず15秒ほどパルス運転(断続撹拌)で回します。魚肉が白濁し、粘り気のあるペースト状になるまで塩だけで練り上げることが不可欠です。
【ステップ2:隠し味とつなぎの投入】
粘りが出たすり身に対し、すりおろし長芋、卵白、砂糖、みりん、そして温度上昇を防ぐ小スプーン1杯の氷片を加えます。再びプロセッサーを回し、全体が均一に白っぽく乳化するまで約20〜30秒撹拌します。最後に片栗粉と植物油を加え、10秒ほど優しく混ぜ合わせたら生地は完成です。出来上がった生地は、ボウルに移して冷蔵庫で20分間寝かせると、破断強度が安定します。
【ステップ3:油の温度と二段揚げのメソッド】
すり身揚げの加熱で最も避けるべきは、180℃以上の高温油にいきなり落とすことです。表面が一瞬で固化して破裂し、内側の水分が気化して外に吹き出してしまうためです。
・一次揚げ(低温膨張期):150℃〜160℃の低温/3分〜4分
手に少量の油または水をつけて小判型に成形したすり身を、静かに油へ滑り込ませます。最初は鍋底に沈みますが、タンパク質のゲル化と内部水分の穏やかな膨張によって、2分ほどでふっくらと油面に浮上してきます。時折返しながら、じっくり芯まで熱を通します。
・二次揚げ(表面焼き締め期):170℃〜175℃の高温/30秒〜45秒
火力を強め、油の温度を上げて表面の水分を飛ばします。ここで小気味よいキツネ色をつけるとともに、余分な油の吸着をシャットアウトします。バットに引き上げたら網の上に斜めに立てかけ、油を徹底的に切ります。