池井戸潤の小説を原作とし、大泉洋が主演を務めたTBS系日曜劇場『ノーサイド・ゲーム』。大手自動車メーカーの左遷社員が、低迷する社内ラグビーチーム「アストロズ」のゼネラルマネージャーとして再起を誓う物語の主題歌制作にあたり、米津玄師はかつてないアプローチで楽曲と向き合いました。
音楽誌や特番インタビューの証言によると、当時の米津自身はラグビーというスポーツに直接的な接点を持っていませんでした。だからこそ、実際に試合映像を綿密に研究し、鍛え抜かれた屈強な肉体が激突する乾いた音、泥と汗にまみれながら前進する選手たちの熱量に強烈なインスピレーションを受けたといいます。
「がんばれ」といった安直なフレーズで背中を押すのではなく、挫折を味わい、打ちのめされた者だけが知る痛みを共に背負うこと。米津玄師が提示した米津玄師 ラグビーソングとしての『馬と鹿』は、単なるスポーツタイアップの枠を軽々と飛び越え、人生というフィールドで戦うすべての人々に寄り添う普遍的な人間賛歌として結実しました。