日本国内のみならず、全世界で爆発的な支持を獲得したヒロアカにおいて、このフレーズが海外でどのように受容されたのかも見逃せないポイントです。
「私が来た」の英語表現は、公式英語版アニメおよびコミックスにおいて主に「I am here!」、あるいはフルフレーズで「Fear not, for I am here!(恐れるな、なぜなら私が来たからだ!)」と翻訳されています。日本語の「来た」という動作の完了形に対し、英語では「here(ここ)に am(存在する)」という状態動詞を用いることで、「私はすでに現場に到着し、あなたたちの盾としてここに立っている」という空間的な支配力と防壁のニュアンスが強調され、北米のファンコミュニティでも屈指の決め台詞として定着しました。
そして、このセリフに無二の生命を吹き込んだのが、オールマイト役の声優・三宅健太氏です。三宅氏は過去の公式座談会や特番インタビューにおいて、以下のように収録時の心境を吐露しています。
「オールマイトの『私が来た』は、ただ声を張り上げて強さを見せつけるセリフではありません。現場で恐怖に怯えるすべての人を包み込み、絶対の安心を与えるための包容力と、自分自身の内なる恐怖をねじ伏せる気迫の両方が求められます。毎回、肺の空気をすべて吐き出し、魂を削る思いでマイクに向かっていました」(制作陣・声優インタビュー記録より要約)
さらに、若き日のオールマイトを演じた玄田哲章氏の重厚な芝居とも見事にリンクし、三宅氏の演じるオールマイトは「陽気なアメリカンコミック風の看板」と「背負いすぎた男の哀愁」を完璧に両立させました。