「ハーブスに行くなら夕方以降は危険」というネット上の噂は、取材データに照らし合わせても完全な事実である。店舗では毎朝および日中に自社ファクトリーから配送されるケーキを管理しているが、1日の仕込み数には厳密な上限が設けられている。廃棄ロスを出さないための緻密な需要予測と、手作りゆえの生産限界によるものだ。
不動の人気を誇る「ミルクレープ」は製造数自体が最も多いものの、夕方17:00を過ぎると完売ランプが灯る日が少なくない。さらに深刻なのは、白桃、ストロベリー、マロンといった旬のフルーツを贅沢に使った「季節限定タルト・ケーキ」だ。これらは仕込み数自体が少ないため、休日は14:00〜15:00の段階でショーケースから姿を消すケースが常態化している。夜カフェとして19時以降に来店した場合、選べるケーキがチョコレート系など2〜3種類に限定されてしまう現実は知っておくべきだ。
そこで浮上するのが「テイクアウト(お持ち帰り)」の活用だが、ここにも多くの人が見落としがちな盲点がある。
店外に行列ができている場合でも、テイクアウトの購入客は列に並ぶ必要がなく、直接レジ・ショーケース前へ進んで注文できる。これは待ち時間をゼロにする最大の裏技だが、HARBSのケーキは「クリームの鮮度と柔らかさ」を極限まで高めているため、極めて崩れやすい。長時間の持ち歩きには向かず、付属の保冷剤の効果はおおむね最長2時間程度が限界だ。三宮から帰宅するまでの移動時間や気温に対する配慮を怠ると、箱を開けた際に無惨な姿と対面することになりかねない。