スーパーの棚や外食産業のメニュー表を見渡すと、ししとうやピーマン以外にも似通った緑色野菜が並びます。これらの立ち位置を把握しておくことは、日々の買い物や献立作りの失敗を防ぐ重要な知識となります。
まず混同されやすいのが青唐辛子とししとうの違いです。青唐辛子は鷹の爪などの「辛味品種」が赤く完熟する前の未熟果であり、基本的に全個体が激烈な辛味を持ちます。外見はししとうに酷似していますが、表面にツヤと強い張りがあり、ししとうのような柔らかな縮れがありません。薬味や辛味調味料として使うのが前提であり、ししとう感覚で丸かじりすると口腔内に深刻な刺激を受ける危険があります。
次に関西発祥の伝統野菜である万願寺とうがらしとピーマンの違いです。万願寺とうがらしは京都府舞鶴市発祥の京野菜で、伏見とうがらしと大型ピーマン(カリフォルニア・ワンダー)が自然交配して誕生しました。長さ15センチ前後に達する圧倒的なサイズ感を持ちながら、果肉はピーマンのように分厚く、特有の甘みと柔らかさを両立しています。辛味成分はほぼゼロで、ピーマンの甘みとししとうの扱いやすさを兼ね備えた最高級の甘味トウガラシ種と言えます。
さらにパプリカとピーマンの違いについて言えば、どちらも同じベル型品種ですが、一般にピーマンは未熟な緑色の段階で収穫されるのに対し、パプリカは樹上で完全に完熟するまで待って収穫されます。完熟によって青臭さが完全に消去され、糖度がフルーツ並みに跳ね上がる点が、料理における役割の境界線となっています。