「放置すればピンピンコロリで逝ける」という言説を信じ、標準治療を拒絶した患者が実際に直面するのは、穏やかな最期とはかけ離れた壮絶な現実です。終末期医療の現場医師やホスピス病棟の看護師による証言、そして患者自身や遺族が遺した闘病記の告白から、がん放置療法の末路の真実が浮き彫りになっています。
象徴的なのが、外見から観察しやすい乳がんの放置事例です。治療を拒絶して放置した結果、腫瘍が乳房全体を占拠し、皮膚を突き破って自壊(カリフラワー状に露出)。壊死した組織から止まらない出血と浸出液、そして強烈な腐敗臭が発生し、ガーゼ交換のために1日数回も家族や本人が凄惨な処置に追われることになります。手記の中で「こんな悪臭と激痛にまみれると知っていたら、胸を摘出してでも治療を受けていた」と涙ながらに吐露した患者の言葉は、現場の残酷さを物語っています。
また、消化器系のがんを放置した場合は腫瘍の増大に伴う腸閉塞(イレウス)を引き起こし、激しい腹痛と胆汁や糞便の嘔吐が続きます。肺がんであれば胸水が溜まり、溺水に匹敵する窒息感と咳に四六時中苛まれることになります。「がん放置療法で後悔した理由」を調査すると、患者の生の声として以下の3点が共通して挙げられています。
- 早期治療の機会損失に対する絶望:「ステージIの段階で手術していれば完治したと告げられたとき、本を鵜呑みにした自分の無知を呪った」という取り返しのつかない後悔。
- 想像を絶する身体的苦痛:「痛まないはずだったのに、骨転移や神経浸潤による激痛で夜も眠れず、精神が崩壊寸前になった」という誤算。
- 家族への甚大な負担と孤立:医療機関から離脱していたため、容態急変時に受け入れ先が見つからず、家族に凄惨な看取りと介護の重圧を背負わせてしまった自責の念。