一般の有権者や政治ウォッチャーが最も関心を抱くのが、「公明党の代表はいかにして決められるのか」「支持母体である創価学会の意向はどこまで働くのか」という選出プロセスの実態です。
党規約上の公明党代表選出方法は、国会議員および全国の地方代表による投票によって決定される規定になっています。代表選に立候補するためには一定数以上の党所属国会議員の推薦が必要です。しかし、実際の歴史において自民党総裁選や立憲民主党代表選のように、複数の候補者が公の場で論戦を戦わせる激しい選挙戦(ガチンコ対決)が行われた例はほぼ皆無です。慣例として、常任役員会や長老グループによる水面下の調整が行われ、単独候補の「無投票推薦・満場一致」で承認されるのが通例となっています。
この選出背景には、支持母体である創価学会との「政教分離の原則」を守りつつも、支持基盤の納得感を最優先するという組織力学が存在します。1970年の言論出版妨害事件を契機に、公明党と創価学会は制度上・組織上の分離を徹底しました。公式発表資料や党見解でも「人事や党運営は党の最高機関である党大会で自律的に決定される」と明記されています。
ただし、現場の選挙運動を一手に担うのは学会員のボランティア組織です。党首が信託を得られない人物であれば、選挙本番での集票動員(いわゆるF票の獲得)に直結します。そのため、党首人事の策定プロセスにおいては、学会首脳部との綿密な意思疎通と「全国の草の根支持層が誇りを持って推せる人物か」という定性的な評価が不可欠な選考基準として機能しています。この二重構造への理解こそが、公明党の意思決定の本質を見抜く鍵となります。