鮮やかなピンクやオレンジ色の美しい身を持つ鮭やサーモンですが、水産学および生物学上の分類ではマグロやカツオのような「赤身魚」ではなく「白身魚」に分類されます。
マグロなどの赤身魚は、常に高速で泳ぎ続けるために筋肉中に酸素を蓄える色素タンパク質「ミオグロビン」や「ヘモグロビン」を大量に含んでいるため身が赤くなります。一方、鮭の筋肉自体は元々タイやヒラメと同じ無色透明(白色)です。
身が赤く染まる理由は、主食として捕食するプランクトンやエビ・カニなどの甲殻類に含まれる強力な抗酸化成分「アスタキサンチン」が筋肉組織に蓄積するためです。養殖サーモンの場合も、飼料に天然由来のアスタキサンチン(または甲殻類由来の粉末)を配合することで、美しく食欲をそそるサーモンピンク色にコントロールされています。
天然の白鮭と養殖サーモンでは、栄養構成やエネルギー(カロリー)にも大きな開きがあります。
- 天然白鮭(100gあたり):約120〜130kcal / 脂質 約4〜5g / たんぱく質 約22g
低脂質・高たんぱく質で非常にヘルシー。脂質を抑えながら筋肉づくりやダイエットを行いたい場合に最適です。 - 養殖アトランティックサーモン(100gあたり):約220〜240kcal / 脂質 約16〜20g / たんぱく質 約20g
白鮭の約4倍近い脂質を含みます。その脂には、血液をサラサラにし脳の働きを支えるオメガ3多価不飽和脂肪酸(EPA・DHA)が豊富に含まれています。
どちらが優れているかという優劣ではなく、「脂質の少なさと身の締まりを求めるか」「良質なオメガ3脂肪酸と濃厚な脂の旨味を求めるか」という目的によって選ぶべき対象が変わります。