球界で育成システムが巨大化する中、ファンからしばしば寄せられるのが「二軍で好成績を残している他球団の育成選手を、自チームの支配下枠でトレード獲得できないのか」という疑問です。しかし、NPBのアグリーメント(規約)において、育成選手と支配下選手の直接トレードには厳格な制限が存在します。
原則として、トレードは「支配下選手同士」または「育成選手同士」で行われることが基本ルールです。育成契約の選手を他球団が支配下として獲得したい場合、まずは元の所属球団が一度支配下登録を結んだ上でトレードに出すか、シーズン終了後の自由契約期間を待つ必要があります。3シーズン以上育成選手として在籍した選手は自動的に自由契約となるルールが設けられているため、他球団はこのオフシーズンの公示を狙って水面下で調査を進めることになります。
「育成の巨額投資」を行う球団と「少数精鋭」で運用する球団の間で戦力差が広がりやすい現代において、この規約の壁は編成担当者にとって極めて頭の痛い問題です。育成契約選手の他球団移籍に関するルール緩和は、選手会とNPBの間で長年議論が続けられている重要課題のひとつとなっています。