ネット上の口コミやSNS、グルメレビューサイトを徹底調査すると、前沢牛の評判には熱烈な賛辞が並ぶ一方で、一部にリアルな苦言も散見されます。この両者の声に向き合うことで、前沢牛の本当の姿が浮かび上がってきます。
肯定的な意見として圧倒的に多いのは、やはりその圧倒的な食感に関する声です。
「前沢牛ステーキを口に入れた瞬間、噛む必要がないほど自然にほどけて肉汁が溢れ出た」「脂が上質で甘く、胃もたれするような油っぽさが一切ない」といった声がSNS上でも多数を占めています。特に地元岩手で食した旅行者からは、「これまでの和牛の概念が変わった」という体験談が多く寄せられています。
しかし、中立的な視点から無視できないのが「サシが強すぎる」というネガティブな反応です。 「前沢牛A5ランクのサーロインを注文したが、2口目までは感動したものの、3口目からは脂が重たくて食べきれなかった」「40代を過ぎてからは、赤身部位を選ばないと胃がつらい」といった、サシの濃厚さに圧倒されてしまったユーザーの率直なレビューも確実に存在します。
この点について、現地の老舗ステーキハウスのシェフに取材を試みると、次のような実態を明かしてくれました。 「前沢牛の脂は融点が低いため、火を入れすぎると良質な脂がすべて流れ出てパサつき、逆に火入れが浅すぎると脂が温まりきらずに重たく感じてしまいます。強火で表面をカリッと焼き固め、余分な脂を落としつつ中はミディアムレアで脂を液状化させる。この焼きの技術があってこそ、前沢牛の甘みと軽やかさが両立するのです」
つまり、評判の分かれ目は肉そのものの優劣だけでなく、部位の選択と調理法に対する理解度にあるといえます。